【令和8年熊本地震】児童発達支援・放課後等デイサービス等が確認しておきたい災害時の対応Q&A

令和8年7月28日に発生した熊本地震を受け、こども家庭庁から、障害児への支援や児童福祉施設等の取扱いについて複数の事務連絡が発出されています。

令和8年8月3日時点で公表されているこども家庭庁の情報をもとに、児童発達支援・放課後等デイサービス等の障害児支援事業所が確認しておきたいポイントをQ&A形式で整理します。

※以下は国から示された災害時の取扱いを整理したものです。
実際の運用については、各指定権者からの通知・指示も併せて確認してください。

目次

Q1.今回の熊本地震では、どの地域に「災害救助法」が適用されていますか?

A.熊本県内の「10市10町1村」に、令和8年7月28日付で災害救助法が適用されています。

対象となっているのは、

熊本市、八代市、水俣市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、天草市、合志市、美里町、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、氷川町、芦北町、津奈木町

です。

こども家庭庁も、この災害救助法の適用を前提として、障害児支援に関する特例的・柔軟な取扱いを通知しています。

Q2.事業所自体に大きな被害がなくても、今回の通知を確認する必要がありますか?

A.はい。今回の通知は、「事業所が被災した場合」だけを対象としたものではありません。

特に重要なのが、利用児童の状況把握です。

こども家庭庁は、災害救助法適用市町村において障害児の安否確認を行うとともに、相談支援事業者等と連携して課題を把握(アセスメント)し、必要なサービス提供につなげることが重要としています。

確認ポイント(例)
  • 「利用児童・家族は無事か」
  • 「自宅で生活できているか」
  • 「避難所や親族宅等へ避難していないか」
  • 「いつも利用しているサービスを利用できなくなっていないか」
  • 「医療・福祉面で新たな支援ニーズが生じていないか」

Q3.「避難所等で生活する障害児への相談支援」も認められますか?

A.はい。「避難所等で生活している障害児」についても、障害児支援利用援助や継続障害児支援利用援助については、障害児相談支援給付費の支給対象となります。
さらに今回の通知では、災害により通常どおりの相談支援を行うことが難しい場合について、次のような柔軟な取扱いも示されています。

〇 道路や鉄道の寸断、ガソリン不足等で訪問が困難な場合のモニタリングは、電話等で本人または家族に確認し、 その内容を記録することで実施可能

〇 サービス担当者会議についても、各サービス担当者への電話や文書等による照会で実施可能

〇 機能強化型障害児支援利用援助費、機能強化型継続障害児支援利用援助費、主任相談支援専門員配置加算等について、災害によりやむを得ず一時的に要件を満たさなくなった場合でも、引き続き算定可能

したがって、児童発達支援・放課後等デイサービス等の事業所においても、利用児童やご家族から「避難生活でこれまでのサービスが利用できない」「家庭だけでは対応が難しくなっている」などの相談があった場合には、事業所だけで対応を抱え込まず、担当の相談支援専門員につなぎ、必要なサービスや支援を一緒に検討することが重要です

また、障害児相談支援事業所側も、「訪問できないからモニタリングができない」と判断するのではなく、
今回示された柔軟な取扱いを確認したうえで、電話等も活用しながら児童・家族の状況把握と支援の継続を図ることがポイントになります。

Q4.地震の影響で職員が出勤できず、「人員基準を満たせない場合」はどうなりますか?

A.災害対応により「一時的に人員、設備等を満たせない場合」について、柔軟な取扱いが示されています。

こども家庭庁は、災害により多数の要援護者を受け入れ、職員が不足する施設等については、まずは、他施設等からの職員の応援派遣について、ご調整いただくこととしています。そのうえで、他施設への職員の応援派遣などによって、一時的に職員が不足し、人員等の基準を満たせなくなる場合について、「柔軟に取り扱って差し支えない」としています。

ただし、この記載をもって、地震に関係なく発生した通常の人員不足まで一律に人員基準違反や減算の対象外になる、と判断することはできません。柔軟な取扱いが認められる場合であっても、利用児童の安全確保が最優先です。
特例的な取扱いを「使えるかどうか」だけで判断するのではなく、その配置で安全に支援を継続できるかを検討し、判断の経緯や対応内容を記録に残しておくことを推奨します。

Q5.災害時に「定員を超えて受け入れること」はできますか?

A.国の通知では、既存スペースを活用し、「日常のサービス提供に著しい支障がない範囲」で定員を超えた受入れを認める取扱いが示されています。

通知では、「利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費等の対象」とされていますが、これは災害時であることを理由に、安易な定員超過を認める趣旨ではありません。
既存の利用児童を含めて安全に支援できる体制を可能な限り確保したうえで運営することが重要です。

Q6.「避難先が遠方」になった利用児童についてはどうすればよいですか?

A.避難元と避難先の支援機関で、必要な情報を引き継ぐことが重要です。

「被災地と避難先の相談支援事業者や障害児支援事業者等が利用者の情報を共有するなど、円滑に引き継がれるように配慮すること」としています。個人情報の取扱いにも留意しながら、必要な支援情報を適切につなぐことが大切です。

さいごに ~ 事業所が今、確認しておきたいこと ~

今回の災害対応では、国から人員基準等について柔軟な取扱いが示されている部分があります。

一方で、「災害時だから何でも特例になる」というものではありません。

国の通知が示している範囲と、指定権者が実際にどのように運用するかを分けて考え、判断に迷うケースについては指定権者へ確認し、その経緯を記録しておくことが重要です。

また、余震等も含め、今後状況が変わる可能性があります。
BCP(業務継続計画)についても、「作成してあるから大丈夫」ではなく、今回実際に動かしてみて分かった初動対応、発動、連絡体制や備蓄、職員参集、利用児童の安否確認方法等の課題を整理し、今後の見直しにつなげていきましょう。

※本記事は、令和8年8月3日時点で公表されている情報をもとに作成しています。今後、新たな通知等の発出により取扱いが変更・追加される可能性がありますので、最新の情報については、こども家庭庁及び各指定権者からの通知等を随時ご確認ください。

《参照サイト》 

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