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はじめに
放課後等デイサービスと児童発達支援は、どちらも、児童福祉法に位置づけられる「障がい児通所支援」のサービスです。医学的診断の有無や、障がい者手帳、療育手帳がなくても、「気づきの段階から」支援が可能です。
この両サービスの大きな違いは、利用者の対象年齢にあります。
放課後等デイサービス(放デイ)とは
6歳~18歳の就学児(小学生から高校生まで)が、学校の放課後や夏休みなど長期休暇のときに利用できる福祉施設です。
個別の支援計画に沿って、子どもの発達段階や特性に合った訓練・社会との交流促進を提供することで児童の自立を促進させます。
児童発達支援と(児発)とは
児童発達支援には年齢要件に規定はありませんが、一般的には未就学児(または高校等へ進学していない18歳以下の児童)が対象とされている福祉施設です。
就学前の支援なので、安心・安全な環境の中で、日常生活における基本的な動作の積み重ねや、遊びを通した発達の促進など、子どもの生活力の向上や将来の自立的生活に必要な能力を育成します。
また、放課後等デイサービスと児童発達支援を兼ねた「多機能型」と呼ばれる事業所もあります。多機能型の場合は、スタッフの兼務等により、午前中を児童発達支援、午後を放課後等デイサービスと分けて運営している事業所が多いようです。
開業するための指定基準
放課後等デイサービスや児童発達支援事業所を開業するためには、県の条例や国が定める指定基準等を満たすことが必要です。その他、ガイドラインなどを参考に、十分に趣旨や目的なども理解した上で、行政から「指定」を受けなければいけません。
ここでは、熊本県・熊本市で一般的な定員10名の事業所(児童発達支援センターを除きます)を開業する場合についてご説明します。
※「事業所が所在する場所」が熊本市の場合は熊本市へ、熊本市以外の場合は熊本県へ指定申請を提出します。
指定権者により違いがありますので、必ず指定権者に確認を行ってください。
法人であること
指定を受けるには、株式会社、合同会社、一般社団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)などの「法人」である必要があります。
定款の目的に、「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」などの文言が入っていること。さらに、将来的に障がい児相談支援事業などに事業の幅を広げるのであれば、「児童福祉法に基づく障害児相談支援事業」などの文言を入れておくと良いでしょう。
人員に関する基準
職種 | 必要員数と常勤性 | 兼務の可否 | 備考 |
---|---|---|---|
管理者 | 1人以上 (常勤要件なし) | 業務に支障が無い場合、児童発達支援管理責任者や指導員との兼務が可能 | 原則、専ら管理業務に従事する者 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上 (1人以上は常勤かつ専任) | 管理者との兼務は可能 ※直接処遇職員との兼務は不可 | – |
児童指導員また保育士 | 2人以上 (1人以上は常勤) ※利用者が 11~15名では3人以上、16~20名では4人以上の配置が必要 ただし、半数以上は、児童指導員または保育士であること | – | 機能訓練担当職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士心理指導員担当職員等)と看護職員の数を、合計数に含めることが可能 |
設備に関する基準
指定を受ける事業所は、以下の設備基準を満たしておく必要があります。建築基準法や消防法、各自治体の条例なども関係する重要なルールです。特に開業時は、物件の選び直しや予定外の改修工事を避けるためにも、建物の確認はしっかりとしておきましょう。
設備名 | 備考 |
---|---|
発達支援室 | 訓練に必要な機械器具や設備を備えていること。 ※定員10名の場合、熊本県では30㎡以上(1人あたり3.0㎡以上)が必要。 |
相談室 | プライバシーに配慮した空間であること。 知的障害のある児童を通わせる児童発達支援事業所は静養室が必要 静養室の要否や併用は、各自治体に確認すること。 |
静養室 | |
事務室 | 重要な書類保管のための鍵付き書庫など |
洗面所・トイレ |
運営に関する基準
児童福祉法で定められている運営に関する基準を基に、事業所ごと運営規程を定め、重要事項説明書を用いて説明し、利用申込者の同意を得ておく必要があります。 (利用定員、従業者の員数、サービス提供の記録、虐待等の禁止、苦情解決など)
熊本県での指定に必要な書類一覧
※ 準備中
熊本県内の実際の利用者数は?
熊本県では、児童発達支援および放課後等デイサービスの利用者数は、年々増加しています。
児童発達支援においては、令和8年度は、令和4年度実績から約28%増加する見込みとなっています。
放課後等デイサービスにおいては、令和8年度は、令和4年度実績から約33%増加する見込みとなっています。
引用元:熊本県障がい福祉計画(第7期熊本県障がい福祉計画・第3期熊本県障がい児福祉計画) (PDFファイル:3.45MB)
熊本県では、障がい児のニーズや現在の利用者数、医療的ケアを必要とする障がい児のニーズ、地域における児童数の推移等を総合的に勘案して、障がい児通所支援等の見込量の確保(新規指定枠の設定)を行っています。
収支シュミレーション
※ 準備中